社会医療法人 博友会

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睡眠不足が病気の原因に!睡眠不足の恐ろしさと具体的な対処法

睡眠不足が病気の原因に!睡眠不足の恐ろしさと具体的な対処法

「仕事が忙しくて、睡眠時間を削って働いてる…」
「週末、泥のように眠って月曜日重たい体を無理やり起こしてる」

そんな頑張り屋のあなたに、お伝えしたいことがあります。

実は、睡眠不足はとても危険なことなんです。後ほどお話しますが、睡眠不足の危険度は、頭痛や集中力の欠如、生活習慣病やうつ病の原因のひとつになると言われているほど。

健康に仕事や生活を続けるためにも、趣味を楽しむためにも、十分な睡眠をとることが大切です。でも、具体的にどうすればいいかわからないですよね。

そこで今回は、睡眠不足はどんな悪い影響を及ぼすのかをお話し、個人で対処できる方法についてもお話します。

記事を読み終わる頃には、”睡眠不足の恐ろしさ”が伝わると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

睡眠不足が病気の原因に!睡眠不足の恐ろしさと具体的な対処法

この記事を監修した人

医療法人社団博友会
平岸病院 精神科

青柳 雅宏 医師

  • 昭和54年 芦別市生まれ 
  • 平成17年 札幌医科大学卒業 
  • 平成17年 カレスアライアンス 日鋼記念病院研修医 
  • 平成20年 医療法人社団博友会 平岸病院勤務 
  • 精神保健指定医 

不眠と睡眠不足の違い

不眠と睡眠不足の違い

本題に入る前に、前提となる「不眠と睡眠不足の違い」について触れます。

結論から言うと、不眠は眠りの「質」に問題があり、睡眠不足は眠りの「量」に問題があるという違いがあります。

今回は、「睡眠不足」に焦点を絞ってお話していきましょう。

睡眠不足によっておこる症状

睡眠不足によっておこる症状

睡眠不足の状態が続くと、疲労が解消されないため体は常に疲れているような状態になり、免疫機能が低下します。さらに、昼間の眠気による作業能率の低下、視力の低下、注意力の低下、疲労感の増幅などを引き起こします。不安状態やうつ状態を招くこともあります。 

ここではまず、睡眠不足が体にどのような影響を及ぼすかについて話していきましょう。

頭痛

睡眠不足は脳への酸素供給不足を招きます。脳の酸素が欠乏すると、頭の筋肉の過剰な緊張や血管の収縮に繋がり、頭痛が起きると考えられています。

集中力、注意力の欠如

アメリカの学会誌「Sleep」で発表された実験結果によると、夜勤明けの医師たちは瞬間的居眠り(マイクロスリープ)を繰り返すという結果が得られました。

「居眠り」という名前がついているように、目は空いているけれど脳が反応しない状態であり、仕事や運転などで重大なミスを犯す原因となってしまいます。

ストレスの増加

本来、睡眠中には脳内の情報を整理し、ストレスを発散させる効果があります。しかし、睡眠不足によってこの時間が十分に取れないと、ストレスが減少せずに蓄積され続けてしまうんです。

ストレスの増加は、睡眠障害に繋がり、睡眠障害は疾患に繋がっていきます。では、具体的にどのような疾患に繋がるのか?次は睡眠不足によっておこる具体的な疾患を見ていきましょう。

睡眠不足によっておこる具体的な疾患

睡眠不足によっておこる具体的な疾患

厚生労働省の発表によると、睡眠不足や睡眠障害は「肥満」、「高血圧」、「糖尿病」に繋がると言われています。また、睡眠不足は心にも影響を与え、そこから精神疾患にも繋がると言われているため、一つひとつ見ていきましょう。

生活習慣病に繋がる

睡眠不足になると、食欲が高まり肥満の原因となることが知られています。睡眠時間が短いとレプチンという食欲を抑えるホルモンが減少し、逆に食欲を増進させるグレリンというホルモンが増加してしまいます。さらに、甘いものや炭水化物が食べたくなる傾向にあり、このことから肥満になり、糖尿病などの生活習慣病に繋がってしまいます。

うつ病

国立精神・神経医療研究センターの研究によると、1日に4時間半ほどしか眠らない睡眠不足が5日続くと、不安や混乱、抑うつ傾向が高まることが明らかになりました。

昔から睡眠不足の人はうつ病になるリスクが高まる、という研究結果がありましたが、近年さらに注目されています。

また、うつ病の症状の一つに睡眠障害があり、放置しておくと負のスパイラルに陥ってしまうことも。

「最近よく眠れなくて、気分が沈みがち」という方は、自己判断せずに一度専門医にご相談ください。

個人で対処できる睡眠不足を防ぐ方法

個人で対処できる睡眠不足を防ぐ方法

“睡眠不足”を防ぐには、「睡眠時間を確保」することですぐに解決できます。しかし、「寝付きが悪い」、「眠りが浅い」など”不眠”の症状がある方はいくつかの手順を踏まなければ解決できません。

具体的には以下の方法が効果的と言われています。

  • 就寝の1時間30分前に入浴する
  • 寝る時に靴下を履かない
  • 夕食はお腹いっぱい食べない

より詳しい内容や、良質な睡眠を得るためのメカニズムについては以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。

睡眠不足や不眠が続く場合は、専門医に相談を

睡眠不足や不眠が続く場合は、専門医に相談を

不眠の背景には、睡眠時無呼吸症候群や心疾患、うつや統合失調症が隠れている場合があります。眠れない夜が続き、日中の活動に悪い影響が出るようになったら、病院で相談し、健康状態をチェックしましょう。

睡眠は時間の長さではなく質が大切です。不眠を解決するには、医師の指導下で睡眠薬を使い、睡眠のリズムを取り戻すことも有効な手段の一つとなります。

睡眠薬に対して怖いイメージをお持ちの方も居ますが、体への負担の少ない良い薬があります。不眠治療でうつ病が改善した患者さんもいます。良質な睡眠は、体も心も回復させるため、一緒に解消していきましょう。

まとめ

今回は「睡眠不足の恐ろしさ」をテーマにお話させていただきました。慢性的な睡眠不足は生活習慣病やうつ病のリスクを上げると考えられており、非常に危険です。

ご自身で対処しても睡眠不足・不眠が続く場合には専門医にご相談ください。

私たち「博友会」も不眠治療も行っております。「最近寝つきが悪くなって」、「眠りが浅くて疲れが取れない…」という方はお気軽にご相談ください。

平岸病院では休日・祝日を含む365日、時間外診療を実施しております。

電話番号:0125-38-8331

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