社会医療法人 博友会

社会医療法人博友会は医療・看護・介護を通して地域に貢献いたします。

女性がなりやすい「非定型うつ」とは?特徴や原因を解説

女性がなりやすい「非定型うつ」とは?特徴や原因を解説

女性がなりやすいといわれる非定型うつ病の原因はどこにあるのでしょうか。

症状の特徴とともに考え得る原因について説明していきます。

また、誤診を招きやすい双極性障害との違いについても解説していますので、治療の際の参考としてください。

非定型うつ病とは?

非定型うつ病とは?

非定型うつ病は、一般的に知られているうつ病とは対極にある症状が特徴的です。

気分の変調がとても激しいこと・抑うつ症状をみせるのが夕方から夜間帯であること・過食及び過眠傾向になる点が、うつ病との大きな違いです。

非定型うつ病と診断される人の多くが20代から30代の女性で、比較的調子のよい日中帯の様子を見て「元気そうじゃないか」「それでうつ病なんて怠け」などと誤解を受けやすいといえます。

本人にとって最も辛さを感じる夕方から夜間帯にかけての状態を観察してもらえる機会は少ないため、患者に孤独感が生じることもよくあります。

人の顔色をうかがう傾向が強い

うつ病の場合は「真面目・几帳面」な人がなりやすいといわれますが、非定型うつ病の場合は「人からどう見られるか気になる・顔色をうかがう」傾向が強くみられます。

人見知りやあがり症など、対人的に過敏になりやすいため、相手の様子をみて発言したり行動したりすることが多いともいえます。

生育環境の影響がある

周囲の目を気にするような体験をした人も、非定型うつ病になりやすいかもしれません。

多感な時期に親と死別して大きな喪失体験をしてしまったり、逆に近親者からの虐待や愛情不足の体験があったりする場合がこれにあたります。

誰も自分を守ってくれる人がいないなかで、自ら周囲の反応をみて生活しなければならなかったことが原因となっていることもあるのです。

また、直接的な体験でなくとも、喧嘩やいじめを目の当たりにして怖い思いをした、といった経験も、強いストレスとなって本人のその後の言動や行動に影響することがあります。

脳内物質の影響がある

うつ病では、神経伝達物質のセロトニンが減少することが原因の一つだとされています。

非定型うつ病でも同様にセロトニンの影響が指摘されてはいますが、詳しいことはまだわかっていません。

 生活リズムの乱れがある

人間の体は、24時間を一つのサイクルとしてリズムをとっています。これにより、朝に目が覚めて夜に眠くなるという現象が起こるのです。

しかし、非定型うつ病の場合はこの24時間サイクルのリズムがうまく機能しなくなっていることから、いわゆる昼夜逆転が起こりやすくなります。

昼と夜が逆転した生活を続けていると、手足が鉛のように重くなる症状が現れることもあります。

【非定型うつ病と診断される基準とは】

非定型うつ病には診断基準があり、これを「DSM-Ⅳ」と呼んでいます。

以下に当てはまる事柄がある場合、非定型うつ病の可能性があるため、専門家に診てもらうようにしましょう。

A:実際に起きている、あるいはこれから起こる楽しい出来事のことを思うと気分が明るくなる

B:以下の特徴のうち2つかそれ以上当てはまる場合:

  1. 明確な体重増加や食欲増進
  2. 過眠
  3. 手足が鉛のように重たくなる
  4. 長期間にわたり対人関係について極端に敏感であり、そのため社会生活に支障をきたしている

C:うつ病的な症状を伴う

非定型うつ病の原因とは

非定型うつ病の原因とは

非定型うつ病の原因として考えられることの一つに、遺伝的要因が挙げられます。

非定型うつ病患者の70%について親のどちらかがうつ病だったことがわかっているのです。

また、生育環境に基づく本人の性格にも原因があるとされており、以下のような傾向もみられます。

  • 対人関係に不安が強い
  • 人前で極度の緊張を覚える
  • 目立つことを避ける
  • 人の目が気になる
  • 周囲に気を遣いすぎる

非定型うつはうつ病とは違うの?

非定型うつはうつ病とは違うの?

うつ病と非定型うつ病は、その症状に以下のような違いが見られます。

うつ病と非定型うつ病は一部共通する症状がある一方、まったく対極にある症状を持つことでも知られています。

うつ病非定型うつ病
気分が激しく落ち込む落ち込みはあるが関心事に対しては元気が出る
入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒など不眠傾向がある過眠、寝ても熟睡感がない
食欲不振が顕著なため体重減少につながりやすい過食の傾向がみられるため体重増加につながりやすい
落ち込みやすい時間帯は朝から日中帯落ち込みやすい時間帯は夕方から夜間帯
全身の倦怠感特に手足に鉛のような倦怠感
頭の回転が鈍ることによる集中力の低下他者の言動や行動を原因とするイライラ

非定型うつ病と双極性障害との違いは?

非定型うつ病と双極性障害との違いは?

双極性障害とは、気分が沈む「うつ状態」と気分が高まる「躁状態」が交互に出現する病気です。

しかし、うつ状態が重く躁状態が比較的軽い場合、一般的なうつ病として診断されてしまう可能性があるのも事実です。

同様に、うつ症状と軽い躁状態があることから非定型うつ病として診断されることもあります。

その理由は、以下の通りうつ病と躁うつ病の違いをみれば納得できるでしょう。躁状態において非定型うつ病の症状と重なる部分が多いからです。

うつ病双極性障害
気分が激しく落ち込む落ち込む時期と高揚する時期と繰り返す
入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒など不眠傾向がある過眠、あるいは不眠
食欲不振が顕著なため体重減少につながりやすい過食傾向あるいは食欲減退傾向
落ち込みやすい時間帯は朝から日中帯うつ病相のときは落ち込みやすく躁病相のときは著しい興奮や高揚がある
全身の倦怠感うつ病相のときは全身倦怠感があり躁病相のときは活動的でじっとしていられない
頭の回転が鈍ることによる集中力の低下一定の範囲を超えた行動を起こす(借金してまでの買い物やギャンブル、性的行動など)

双極性障害はうつ病相と躁病相を繰り返していくため、即非定型うつ病に当てはまるわけではありません。

しかし、躁病相のときの様子は非定型うつ病に通ずるものがあるため、誤診される可能性はなきにしもあらずです。

非定型うつ病の治療法はある?

非定型うつ病の治療法はある?

非定型うつ病は、適切な治療を行うことで十分改善の余地があります。

主な治療法は認知行動療法や薬物療法、生活習慣の改善となります。

認知行動療法

薬物を用いない治療法の一つです。自分の考え方や行動について振り返って分析することで、自分自身を客観的に見つめ直すことができます。これにより社会復帰を目指していくことも可能です。

薬物療法

脳内物質セロトニンの働きを改善するため、うつ状態の改善を目的として抗うつ薬や抗不安薬を使ったり睡眠の質を改善するための薬を使ったりするなどしていきます。

最優先となるのは、非定型うつ病患者の心理にある不安要素の排除にあるといえます。

生活習慣の改善

日常生活を普段通りに送ることも重要です。家事や仕事など、自分のできる範囲内でこなしていきましょう。

バランスを考えた食事を三食きちんと摂取するということも大切です。正しい食生活を習慣づけることで身体の調子も元通りになっていくので、「規則正しく」を念頭に食事を摂ることを心がけましょう。

まとめ

若い女性層に多くみられる非定型うつ病について、当院ではじっくりお話をうかがうところから治療をスタートしていきます。

いきなり薬を出して診察が終わるのではなく、その人が非定型うつ病になった背景事情をよく聞き取ることこそ大切だと考えているからです。

もし、非定型うつ病ではないかと心配になった場合は、訪れる人のこころと身体に寄り添う当院までご相談ください。

社会医療法人博友会は「精神科救急医療」体制が整っております。

平岸病院では休日・祝日を含む365日、時間外診療を実施しております。

電話番号:0125-38-8331

アクセス方法:

交通機関

◆JR⇒ 〔根室本線〕平岸駅下車(徒歩7分)

◆中央バス⇒

〔滝芦線〕〔砂芦線〕新光町停留所下車(徒歩1分)

〔高速ふらの号〕平岸停留所下車(徒歩7分)

駐車場も完備しておりますので、お車でもお越し頂けます。