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【命に関わる可能性も!】高齢者の転倒後に起こりうる症状と、頭を打った時の危険性について解説

【命に関わる可能性も!】高齢者の転倒後に起こりうる症状と、頭を打った時の危険性について解説

今回は、高齢者の転倒後に起こりうる症状について解説させていただきます。

高齢者の転倒は、その後重篤な疾患に繋がる可能性もあり、症状によっては緊急性が高く命に関わるものもあります。

体から発せられるサインを見逃さず、適切な判断ができるよう共に学んでいきましょう。

監修
  • 高橋 克世 医師
    医療法人社団博友会 平岸病院 神経科医長

高齢者の転倒後に起こりうる症状

高齢者の転倒後に起こりうる症状

高齢者の転倒後は、大きく「頭をぶつけた場合」とそうでない場合で症状が分かれます。

頭をぶつけた場合の症状
  • 意識が無い、あってもぼーっとしている
  • 手足に力が入らない、しびれがある
  • 頭痛がだんだん強くなる
  • 何度も嘔吐してしまう
  • 言葉が所々おかしい、ろれつが回っていない

こういった症状が出た場合、緊急性が高いです。すぐに救急車を呼び、通院しましょう。

頭をぶつけていない場合の症状
  • 強み痛みがある(骨折など)
  • 胸が痛い、息苦しい(気胸など)

頭をぶつけていない場合でも、上記のような症状が出たら通院するようにしましょう。救急車を呼ぶか迷った場合は、「#7119(救急安心センター事業)」に連絡すれば判断してくれます。

また、直後に異常が無かったとしても、数ヶ月後に症状が出る疾患もあります。例えば、「慢性硬膜下血腫」。

「慢性硬膜下血腫」は忘れた頃に症状が出る

「慢性硬膜下血腫」は忘れた頃に症状が出る

高齢者が転倒した際、特に注意しなければならないことの一つが「慢性硬膜下血腫」です。

慢性硬膜下血腫は、硬膜とクモ膜との間に数週間、数ヵ月かけて少量ずつ出血して血腫ができた状態です。症状が出るまでに数ヶ月かかることもあり、気付きにくい疾患の一つ。

特にお酒をよく飲む高齢者に多いのですが、酔っていると頭をぶつけたという自覚がないために、症状が出ても認知症と間違われて、血腫の発見が遅れてしまうことがあります。

血腫を除去するだけで完治することが多い経過が良好な疾患ですが、脳卒中やアルツハイマー病との鑑別診断も必要となりますので、気になる症状があったら必ず受診しましょう。

頭を打ったことが原因で頭蓋骨の内側に出血する頭蓋骨内血腫は、命に関わる危険があり、場合によっては緊急手術を含む適切な治療が必要です。

高齢者は転倒してから1カ月後に再検査をオススメします

高齢者は転倒してから1カ月後に再検査をオススメします

特に高齢者の場合は頭部打撲後の初診時検査で異常がなくても、1ヵ月後に必ず再検査することを勧めています。

内出血は、頭を打ってすぐに起こることが多いのですが、時に数時間後、1日、2日後に起こることがあります。受傷直後のCT検査やレントゲン検査で異常がなくても、その後、内出血が起こらないと断言できません。また、検査では分からない脳神経の損傷が起こっていることがありますので、頭を打った後の数日は「体調の変化がないか」を家族が注意深く観察することが必要です。

一人で悩まずに専門医へお気軽にご相談ください。 

まとめ

今回は高齢者の方の転倒後、起こりうる症状についてお話しさせていただきました。まず大切なのは「頭を打ったかどうか」を確認すること。それぞれの症状を振り返りましょう。

頭を打った場合の症状

緊急性が高いため、救急車を呼ぶ

  • 意識が無い、あってもぼーっとしている
  • 手足に力が入らない、しびれがある
  • 頭痛がだんだん強くなる
  • 何度も嘔吐してしまう
  • 言葉が所々おかしい、ろれつが回っていない
頭を打っていない場合の症状

状況により救急車を呼ぶ。迷った場合は#7119に連絡する

  • 強み痛みがある(骨折など)
  • 胸が痛い、息苦しい(気胸など)

高齢者の転倒は疾患に繋がる可能性が高いということを念頭に対処しましょう。

社会医療法人博友会は「精神科救急医療」体制が整っております。

社会医療法人博友会は「精神科救急医療」体制が整っております。

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